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2017年08月02日

通年議会の導入

      しがNPOセンター 代表理事
                   阿部圭宏


 通常国会が終了したが、加計問題などを審議するとして、衆参の予算委員会が閉会中審査を行った。憲法では、国会の常会(通常国会のこと)は、毎年1回これを召集すると規定され、その会期は、150日間と国会法に定められている。臨時会の開催も憲法に規定があり、常会、臨時会ともに会期延長をすることもできる。国会は与野党が議論する場であるが、会期終盤になると、審議時間が窮屈になって、その結果として、会期延長が行われたり、強行採決、継続審議、廃案等の方策がとられる。

 今国会では、加計問題に対する政府の対応等に野党が疑義を唱え、臨時国会の開催要求を行っている。憲法には、「いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」という規定があり、これに基づき野党による召集要求があったものの、内閣は現時点でその要求に応じていない。

 では、地方議会の場合はどうか。地方自治法では、議会は、定例会及び臨時会とし、毎年、条例で定める回数を招集しなければならないとされている。この規定を逆手にとって、定例会を1回にして、会期日数を長期化した議会運営を行い、実質の通年議会が白老町議会(2008年)を皮切りにとして、いくつかの地方議会で行われるようになってきた。2012年には、こうした動きを追認する形で地方自治法が改正され、「条例で定めるところにより、定例会及び臨時会とせず、毎年、条例で定める日から翌年の当該日の前日までを会期とすることができる」という規定が追加されたことで、通年議会制度が広く認知されるようになった。

 例えば、滋賀県議会でも、議会改革検討委員会等での検討を踏まえ、2014年に滋賀県議会基本条例を制定し、通年議会制度が導入されている。通年議会が導入されたことで、議会の判断により本会議の随時開催が可能となり、執行機関による専決処分を減らすことができ、災害対応などの緊急を要する案件にもスムーズに対応できるとしている。通年議会にしたからといって、直ちに議会活動が充実するということでもないかもしれないが、会期に余裕を持たせることで、議会本来の持つ討議機能を高めることが期待できる。

 こうした議会での熟議を進める仕組みは、市民の政治不信を取り除く効果があると思われる。これは何も地方議会だけのことではなく、国会の場でも応用できる。国会も通年議会を採用してはいかがか。正式に採用するには憲法改正が必要だが、国会法を改正して、現行の常会の会期である150日を最初から延ばせばよい。いずれにしても、国会としてこれまでの運営でよいのか、議論を深めて妥協する余地はないのかなど、真剣に取り組まないと、ますます支持政党なしという人が増えるだろう。

 


  


Posted by しがNPOセンター at 09:47シリーズ【阿部コラム】