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2019年08月01日

市民が書くことの意味

           しがNPOセンター
                     代表理事 阿部 圭宏

 しがNPOセンターのホームページに毎月コラムを掲載するようになって丸6年が経過した。その時々に感じたことを自分の視点でまとめるようにしている。と言っても、月末になると、次は何を書こうかと思い悩むことは結構ある。

 インターネットが普及して、市民が情報発信する機会は確実に増えた。ブログに始まり、ツイッターやフェイスブックなどで多くの市民ライターが投稿の機会を得ている。SNSの普及によって、誰でも気軽に文章をつくり、投稿という手段で、自分の周りに起こっている出来事や自分の考えを気軽に表明することができるようになったことは、喜ばしいことである。

 SNSの特徴は、即時性と手軽さに加え、写真や動画を加えることでの分かりやすさや臨場感を増幅させる機能であると言えよう。ただ、ツイッターは140字という字数制限があるし、フェイスブックは主に友達間の情報交換のようにも思われるので、SNS以外のものにしっかりと書く習慣を身に付けることは大事だと思う。

 そもそも、市民が書くとはどういうことか。筆者がかつて自治体職員だった頃には、あまり本も読まず、仕事以外に文章を書くなどということをしてこなかった。市民活動に関わると、社会のいろんなものが見えてくるし、関心のあることを熱心に調べるようになる。自分なりの考え方もまとまってくるし意見表明もしたくなる。これは動機の一つでしかないが、プロの文筆家でない市民が取材したり、インタビューしたり、本を読んだりしながら文章を書き、必死に読者に訴えることは非常に大切な視点だ。

 話すだけでは、伝えたいことが相手に十分伝わらない場合は結構ある。書くことで、自分の考えをまとめることができるし、正確に伝える手段となる。市民活動団体が発行するニュースレター、新聞や雑誌への投稿、自分のブログなど、市民ライターが活躍する機会は結構多くある。思いを文章化し発表することで自己実現することができ、社会参加へとつながる。多くの市民がライターになることで、多様な言論空間をつくることが可能となる。



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Posted by しがNPOセンター at 09:05 │シリーズ【阿部コラム】