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2017年06月01日

原発再稼働

      しがNPOセンター 代表理事
                   阿部圭宏

 滋賀では、東日本大震災支援プロジェクトとして「びわこ*123キャンプ」がずっと続けられている。原発事故の影響で外遊びが難しくなってしまった子どもたちに、自然豊かな滋賀で思いっきり遊んでほしいという思いから始まったもので、現在も運営資金をはじめ、いろいろ苦労を重ねながらも続いている。原発事故さえなければ保養は必要なかったものなので、その取り組みには頭がさがる。

 原発事故は、全国に避難する人たちにも多くの影響を与えている。福島県は、仮設住宅や全国の公営・民間住宅を無償提供してきたが、避難指示区域外からの自主避難者については、この3月末で無償提供を打ち切ってしまった。打ち切り対象は、約26,000人にもなると言う。このうち一部の自治体では、独自に住宅支援を行っているところもあるが、福島以外からの自主避難者を含めて、多くの自主避難者が切り捨てられ、辞任した前復興大臣が言ったように、自己責任にされてしまったのである。

 もちろん、福島に残っている人、帰還した人も多くの苦悩を抱えているし、事故前の生活を取り戻すのは大変な状況である。

 こうした原発被害者の気持ちを逆なでするように、この間、原発の再稼働が立て続けになされてきた。九州電力川内1、2号機(鹿児島県)、四国電力伊方3号機(愛媛県)に続き、大阪高裁が大津地裁の運転差し止め仮処分を取り消したことで、5月には関西電力高浜4号機(福井県)が再稼働、今月6日には3号機も再稼働予定である。この後、九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県)、関西電力大飯3、4号機(福井県)と続々再稼働の予定であると言われている。

 原発にしがみつく経済産業省や各電力会社は、この責任をどのように感じているのだろうか。南海トラフ大地震をはじめ、多くの活断層を抱えるこの島国で、安全性が何よりも大切だということを忘れてはいないか。しかも、政府は高レベル放射性廃棄物の最終処分方針として、地層処分することとしているが、実現性はあるのかと問いたい。使用済み燃料の再処理のために、六ケ所再処理工場を稼働させようとしているがこれも危ないと指摘されている。現在は、海外での再処理と原発内のプールでの保管となっている使用済み核燃料も満杯で、今、政府がしきりと煽っている北朝鮮からの攻撃でも仮に受けたなら、その被害はとんでもなく広がる。

 経済最優先で進めてきた結果が今の状況である。未曾有の大事故が起こったにも関わらず、原発再稼働に邁進する姿を見て、この国の将来を悲観せざるを得ない。イノベーションと言うのであれば、自然再生エネルギーの技術開発、普及に注ぐべきだと思う。


  


Posted by しがNPOセンター at 14:14シリーズ【阿部コラム】