2014年02月22日
地方における若者の新しい生き方とは
2月22日(土)しがNPOセンターの第2回まちづくりサロン:政策談義が終了しました。
テーマは「地方における若者の新しい生き方とは」です。今までにない新鮮なテーマで、今までになく若者に限りなく近い世代の先生をお迎えしました。大学生4名やNPOで既に活動している若者数名で、会場の平均年齢がぐっとさがりました。もちろんその親世代の方々の参加もありました。講師は阿部 真大さん(甲南大学准教授)です。
このテーマ、なかなかおもしろかったです。まず、若年労働問題は予期されていたのに、社会も誰もその背景や実態分析にま正面から取り組まなかった、その背景が中高年のリストラ問題に社会の関心が集まったからだということ。今も社会全体の働き方がその世代の評価軸で図られていて、確かにいまだに誰も若者の実態を知らないのではないのかと思いました。
また岡山での若者の幸福度調査の話で、郊外化の進んだ地方都市の「ちょうどよい(背伸びしない)感じのノイズレスな人間関係の快適さ」への満足度が大きい、というのがなるほどと思いました。かつてなら、地方で働く若者たちは地方の人間関係に愛着をもっていたはずなのに、この調査ではそれはあてはまりません。地方でもコミュニティは崩壊しつつあるし、そもそも地域の人間関係に対して若者たちの意識は希薄です。なのになぜ地元を志向するかというと、先の「ノイズレスな人間関係とほどよく便利な消費環境」が住みやすくて、まさに滋賀県あたりが若者居ごごちよさジャストミートなのです。
というようなお話しでしたが、なかなかうまく伝えられないので、先生の著書をお伝えします。
「地方にこもる若者たち」 都会と田舎の間に出現した新しい社会 (朝日新書)
「居場所の社会学」生きづらさを超えて(日本経済新聞出版社)
「搾取される若者たち」 ―バイク便ライダーは見た! (集英社新書):バイク便ライダーの調査
「働きすぎる若者たち」―「自分探し」の果てに(生活人新書):ケアワーカーの調査 他
後半、パラサイトシングルの話がでました。1990年代はパラサイトシングルというと家の居ごこちがよすぎてモラトリアムや晩婚化の問題がクローズアップされていましたが、今は若者はパラサイトシングルしたくなくてもしないと暮らしていけない社会的弱者なのだそうです。ただ今の居場所があることも大事ですが、将来的には自立し持続可能な(たぶん生活だけでなく社会が持続可能な)居場所をつくることへと目標をシフトさせなければならない。親の世代からみればやはりいつまでも親はいないからです。親元を離れてもやっていける生活は今や多様で、就職できて当たり前だった親の世代としては、カルチャーショックでした。何だかパラサイトシングルという響きも何となく普通に感じてきました。
最後にNPOのお話。若者は「古い公共」を生きていない分、「新しい公共」の担い手としてはうってつけで、NPOで働くということや起業するということも選択肢のひとつかと改めて思いました。NPOはまだまだ過酷な労働現場?ですが、夢や意志があります。他の現場も過酷なら、NPOもまんざらではないと思ったりもします。若者が高い年収ではないけれど思いを実現できるNPOでの働き方を、NPOの課題としてみんなで考えてみてもいいですね。加えて、地方に若者にどっこい生きてる新しい公共、実は滋賀のNPOの世界の若者はめちゃ元気だったりします。これも滋賀の状況を映し出しているかなと思いました。先生にはこれから、滋賀の地を調査フィールドにしていただきたいと思いました。
うまくお伝えできたかわかりませんが、またやりましょう。 (スタッフZ)
画像は阿部真大先生の著書 デザインが今風のイラスト???
テーマは「地方における若者の新しい生き方とは」です。今までにない新鮮なテーマで、今までになく若者に限りなく近い世代の先生をお迎えしました。大学生4名やNPOで既に活動している若者数名で、会場の平均年齢がぐっとさがりました。もちろんその親世代の方々の参加もありました。講師は阿部 真大さん(甲南大学准教授)です。
このテーマ、なかなかおもしろかったです。まず、若年労働問題は予期されていたのに、社会も誰もその背景や実態分析にま正面から取り組まなかった、その背景が中高年のリストラ問題に社会の関心が集まったからだということ。今も社会全体の働き方がその世代の評価軸で図られていて、確かにいまだに誰も若者の実態を知らないのではないのかと思いました。
また岡山での若者の幸福度調査の話で、郊外化の進んだ地方都市の「ちょうどよい(背伸びしない)感じのノイズレスな人間関係の快適さ」への満足度が大きい、というのがなるほどと思いました。かつてなら、地方で働く若者たちは地方の人間関係に愛着をもっていたはずなのに、この調査ではそれはあてはまりません。地方でもコミュニティは崩壊しつつあるし、そもそも地域の人間関係に対して若者たちの意識は希薄です。なのになぜ地元を志向するかというと、先の「ノイズレスな人間関係とほどよく便利な消費環境」が住みやすくて、まさに滋賀県あたりが若者居ごごちよさジャストミートなのです。
というようなお話しでしたが、なかなかうまく伝えられないので、先生の著書をお伝えします。
「地方にこもる若者たち」 都会と田舎の間に出現した新しい社会 (朝日新書)
「居場所の社会学」生きづらさを超えて(日本経済新聞出版社)
「搾取される若者たち」 ―バイク便ライダーは見た! (集英社新書):バイク便ライダーの調査
「働きすぎる若者たち」―「自分探し」の果てに(生活人新書):ケアワーカーの調査 他
後半、パラサイトシングルの話がでました。1990年代はパラサイトシングルというと家の居ごこちがよすぎてモラトリアムや晩婚化の問題がクローズアップされていましたが、今は若者はパラサイトシングルしたくなくてもしないと暮らしていけない社会的弱者なのだそうです。ただ今の居場所があることも大事ですが、将来的には自立し持続可能な(たぶん生活だけでなく社会が持続可能な)居場所をつくることへと目標をシフトさせなければならない。親の世代からみればやはりいつまでも親はいないからです。親元を離れてもやっていける生活は今や多様で、就職できて当たり前だった親の世代としては、カルチャーショックでした。何だかパラサイトシングルという響きも何となく普通に感じてきました。
最後にNPOのお話。若者は「古い公共」を生きていない分、「新しい公共」の担い手としてはうってつけで、NPOで働くということや起業するということも選択肢のひとつかと改めて思いました。NPOはまだまだ過酷な労働現場?ですが、夢や意志があります。他の現場も過酷なら、NPOもまんざらではないと思ったりもします。若者が高い年収ではないけれど思いを実現できるNPOでの働き方を、NPOの課題としてみんなで考えてみてもいいですね。加えて、地方に若者にどっこい生きてる新しい公共、実は滋賀のNPOの世界の若者はめちゃ元気だったりします。これも滋賀の状況を映し出しているかなと思いました。先生にはこれから、滋賀の地を調査フィールドにしていただきたいと思いました。
うまくお伝えできたかわかりませんが、またやりましょう。 (スタッフZ)
画像は阿部真大先生の著書 デザインが今風のイラスト???
2014年02月08日
「地方における若者の新しい生き方とは」のお知らせ
◆◆◆しがNPOセンター主催◆◆◆
◇◇◇第2回まちづくりサロン 政策談義◇◇◇
◆◆◆「地方における若者の新しい生き方とは」◆◆◆
※おかげさまで無事終了いたしました。ありがとうございました。
講師:阿部 真大さん(甲南大学准教授)
日時:2014年2月22日(土)
講演:13:30~15:00
質疑:15:00~15:30
会費:1000円(税込) ☆学生無料☆
場所:近江八幡市勤労者福祉センター
( アクティ近江八幡/近江八幡駅から徒歩約3分 )
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
いつからか若者は大都市を目指さなくなった。
現代の若者が愛してやまないのは刺激的な都会や昔ながらの田舎ではなく、
ショッピングモールやファミレスのある快適な消費空間、
すなわち「モータライゼーションの進行した郊外=ファスト風土」なのである。
では地方で暮らす若者が感じる幸福と将来への不安とは何か。
綿密な調査に基づき地方から若者と社会を捉え直した新しい日本論を学びます。
■講師 阿部真大さんプロフィール
甲南大学准教授
1976年岐阜県生まれ 東京大学卒業
社会学者 専門は労働社会学・家族社会学
著書 『搾取される若者たち』『合コンの社会学』
『地方にこもる若者たち』など
■章タイトル ピックアップ
阿部さんの最新書
『地方にこもる若者たち
都会と田舎の間に出現した新しい社会』 (朝日新書)より
★歴史篇★ Jポップを通して見る若者の変容
第4章 地元が若者に愛されるまで
1. 80年代 反発の時代 BOOWY
2. 90年代 努力の時代 B'z
3. 90年代 関係性の時代 Mr. Children
4. 地元の時代 キック・ザ・カン・クルー
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
■会場
近江八幡市勤労者福祉センター( アクティ近江八幡 )
研修室
滋賀県近江八幡市鷹飼町南4丁目4番5号
TEL:0748-38-0758 FAX:0748-38-0759
※近江八幡駅より徒歩3分。駐車場あり
■お申込み先:認定特定非営利活動法人 しがNPOセンター
〒523-0893 滋賀県近江八幡市桜宮町207-3 K&Sビル3F
TEL・FAX 0748-34-3033
メール shiga.npo@gmail.com
ホームページ http://shiganpo922.shiga-saku.net/
-----------------------------------------
■宛先
FAX:0748-34-3033 E-mail: shiga.npo@gmail.com
-----------------------------------------
■2014.2/22まちづくりサロン 政策談義 お申し込みフォーム
お名前(ふりがな):
所属団体名、個人の場合ご住所:
ご連絡のつきやすい電話:
mail:
FAX:
ご住所:〒
参加人数( )人
※複数でのご参加歓迎
-----------------------------------------
※ここでいただいた情報は、しがNPOセンターからのお知らせに限って使わせていただきます。
-----------------------------------------
チラシPDFファイル ダウンロードできます。
(PDF: 246.92KB) (PDF: 280.44KB)
◇◇◇第2回まちづくりサロン 政策談義◇◇◇
◆◆◆「地方における若者の新しい生き方とは」◆◆◆
※おかげさまで無事終了いたしました。ありがとうございました。
講師:阿部 真大さん(甲南大学准教授)
日時:2014年2月22日(土)
講演:13:30~15:00
質疑:15:00~15:30
会費:1000円(税込) ☆学生無料☆
場所:近江八幡市勤労者福祉センター
( アクティ近江八幡/近江八幡駅から徒歩約3分 )
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
いつからか若者は大都市を目指さなくなった。
現代の若者が愛してやまないのは刺激的な都会や昔ながらの田舎ではなく、
ショッピングモールやファミレスのある快適な消費空間、
すなわち「モータライゼーションの進行した郊外=ファスト風土」なのである。
では地方で暮らす若者が感じる幸福と将来への不安とは何か。
綿密な調査に基づき地方から若者と社会を捉え直した新しい日本論を学びます。
■講師 阿部真大さんプロフィール
甲南大学准教授
1976年岐阜県生まれ 東京大学卒業
社会学者 専門は労働社会学・家族社会学
著書 『搾取される若者たち』『合コンの社会学』
『地方にこもる若者たち』など
■章タイトル ピックアップ
阿部さんの最新書
『地方にこもる若者たち
都会と田舎の間に出現した新しい社会』 (朝日新書)より
★歴史篇★ Jポップを通して見る若者の変容
第4章 地元が若者に愛されるまで
1. 80年代 反発の時代 BOOWY
2. 90年代 努力の時代 B'z
3. 90年代 関係性の時代 Mr. Children
4. 地元の時代 キック・ザ・カン・クルー
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■会場
近江八幡市勤労者福祉センター( アクティ近江八幡 )
研修室
滋賀県近江八幡市鷹飼町南4丁目4番5号
TEL:0748-38-0758 FAX:0748-38-0759
※近江八幡駅より徒歩3分。駐車場あり
■お申込み先:認定特定非営利活動法人 しがNPOセンター
〒523-0893 滋賀県近江八幡市桜宮町207-3 K&Sビル3F
TEL・FAX 0748-34-3033
メール shiga.npo@gmail.com
ホームページ http://shiganpo922.shiga-saku.net/
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■宛先
FAX:0748-34-3033 E-mail: shiga.npo@gmail.com
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■2014.2/22まちづくりサロン 政策談義 お申し込みフォーム
お名前(ふりがな):
所属団体名、個人の場合ご住所:
ご連絡のつきやすい電話:
mail:
FAX:
ご住所:〒
参加人数( )人
※複数でのご参加歓迎
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※ここでいただいた情報は、しがNPOセンターからのお知らせに限って使わせていただきます。
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チラシPDFファイル ダウンロードできます。
(PDF: 246.92KB) (PDF: 280.44KB)
2014年02月04日
NPO法15周年に思う
しがNPOセンター 代表理事
阿部圭宏
==========
98年12月1日に施行されたNPO法が、昨年12月で施行15周年を迎えた。遅ればせながら、この15周年を迎えてNPOについて改めて考えてみたい。
まずは、NPOという言葉が社会的に認知されるようになったことが挙げられる。NPO法ができる前後は、NPOってそれ何と言われたものだが、NPO関係者以外の一般市民にもNPOのことが分かってもらえるようになった。法人数も5万に届く勢いで、宗教法人を除いて非営利法人としては一番多い。滋賀でも600法人を超えており、法律施行当初の状況からは、とても考えられないほどの勢いで増加していると言える。
NPOは、行政や市場で提供されない、提供されにくいサービスを市民の創意と工夫によりつくりだし、社会へ提供していくことに力を発揮した。東日本大震災でも、いち早く被災地に赴き、様々な支援活動を行ってきたことでも、改めてその存在感を示した。それ以外にも、ニート支援、病児保育など、話題になるようなサービスの開発も行われていて、多様なサービス供給の担い手としての期待は大きくなっている。
一方、NPOには運動性が大切だと言われていて、多様な価値観、重層な市民社会づくりをめざして、社会に対して広く政策提言(アドボカシー)していくことが期待されてきたが、この面はまだまだ弱い。新たな提案を行うことが社会変革につながるのだというNPOの自覚を必要で、そうした認識を持ちながら広く社会を俯瞰していくことが、今後の課題と言える。
行政との関係を見ると、この間、「協働」が大きなテーマになっていて、盛んに行政サイドが協働ということを言ってきた。それにもかかわらず、現実はなかなか協働が進んでいない。場合によっては、行政にとっての便利使いになっている面も否定できない。縦の関係を横に変えていくための覚悟が双方に求められる。
豊かな社会を築いていくために、NPOの多様性、代替性、先取性、人間性、創造性などの価値観や考え方が多方面に活かされることが求められる。NPOの運動や活動により、社会的課題への解決力が高まることが期待できる。そのためには、NPO自らの不断の努力が必要となる。特に、NPOを市民活動の視点で見ると、基盤となるのは会員、ボランティア、寄付など、多くの市民に支えられながらの自律的な運営ができるかにかかっている。自分たちのミッションを達成するための覚悟を持ち、その具体的な取組みがこれまで以上に大切であると思われる。
阿部圭宏
==========
98年12月1日に施行されたNPO法が、昨年12月で施行15周年を迎えた。遅ればせながら、この15周年を迎えてNPOについて改めて考えてみたい。
まずは、NPOという言葉が社会的に認知されるようになったことが挙げられる。NPO法ができる前後は、NPOってそれ何と言われたものだが、NPO関係者以外の一般市民にもNPOのことが分かってもらえるようになった。法人数も5万に届く勢いで、宗教法人を除いて非営利法人としては一番多い。滋賀でも600法人を超えており、法律施行当初の状況からは、とても考えられないほどの勢いで増加していると言える。
NPOは、行政や市場で提供されない、提供されにくいサービスを市民の創意と工夫によりつくりだし、社会へ提供していくことに力を発揮した。東日本大震災でも、いち早く被災地に赴き、様々な支援活動を行ってきたことでも、改めてその存在感を示した。それ以外にも、ニート支援、病児保育など、話題になるようなサービスの開発も行われていて、多様なサービス供給の担い手としての期待は大きくなっている。
一方、NPOには運動性が大切だと言われていて、多様な価値観、重層な市民社会づくりをめざして、社会に対して広く政策提言(アドボカシー)していくことが期待されてきたが、この面はまだまだ弱い。新たな提案を行うことが社会変革につながるのだというNPOの自覚を必要で、そうした認識を持ちながら広く社会を俯瞰していくことが、今後の課題と言える。
行政との関係を見ると、この間、「協働」が大きなテーマになっていて、盛んに行政サイドが協働ということを言ってきた。それにもかかわらず、現実はなかなか協働が進んでいない。場合によっては、行政にとっての便利使いになっている面も否定できない。縦の関係を横に変えていくための覚悟が双方に求められる。
豊かな社会を築いていくために、NPOの多様性、代替性、先取性、人間性、創造性などの価値観や考え方が多方面に活かされることが求められる。NPOの運動や活動により、社会的課題への解決力が高まることが期待できる。そのためには、NPO自らの不断の努力が必要となる。特に、NPOを市民活動の視点で見ると、基盤となるのは会員、ボランティア、寄付など、多くの市民に支えられながらの自律的な運営ができるかにかかっている。自分たちのミッションを達成するための覚悟を持ち、その具体的な取組みがこれまで以上に大切であると思われる。
Posted by しがNPOセンター at
10:16
│シリーズ【阿部コラム】
2014年02月03日
夏原グラント ご応募ありがとうございます!
夏原グラント2014年度、ご応募ありがとうございます!
1月31日消印有効、ということで
まだ配達があるかもしれません。
事務局は「もう少し」と、ワクワクしながらポストを見に行ってます。
1月31日消印有効、ということで
まだ配達があるかもしれません。
事務局は「もう少し」と、ワクワクしながらポストを見に行ってます。