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2017年03月03日

手のひら返し

      しがNPOセンター 代表理事
                   阿部圭宏

 筆者が若い頃の話で恐縮だが、某自治体で働いていたとき、ある上司から「僕は君たちが取り組んだ仕事には責任を持つ」と言われたことがある。役所というと、一般的に無責任体制と思われがちだが、中には気概のある方もいるのだと思い、改めて仕事への意欲を持つことができた。逆のこともある。決裁の途中でクレームが出て、一旦、納得したはずの上司から「お前が悪い」と一方的に断罪されたことだ。部下をフォローすることもなく、自分だけの手柄にしようとするような上司とは付き合いたくないと思ったものだ。

 民主主義の社会でありながら、会社や役所などの組織は、民主主義的な運営方法になっていないことに気付かされる。正当な考え方は、容易に捻じ曲げられてしまうし、場合によっては、トカゲの尻尾きりのように、責任を負うべき人が逃げてしまうこともよくある話だ。トップや上司が責任を明確にし、そこで働く人たちへの思いやりや信頼を持たなければ、当人は阿呆らしくてやっていられなくなる。

 最近、報道をされている学校法人への国有地払い下げの問題を見ても、同じような構図が見える。首相は国会で、学校法人の理事長について、「私の考え方に非常に共鳴している方で」「妻から森友学園の先生の教育に対する熱意は素晴らしいという話を聞いている」という答弁をしていたものが、その後、「妻は名誉校長を強要された」とか、「学校がやっていることの詳細はまったく承知していない」「この方は簡単に引き下がらない人」「非常にしつこい」などと、手のひらを返したような答弁へと変わり、「個人的関係は全くない」と関係を全否定するまでに至っている。

 当初、この問題を取り上げてこなかったマスコミも、報道を加熱させてきている。この問題がどのような形で決着するのかはわからないが、少なくとも、自分のことだけを保守することしか考えない輩が多いことに嘆かざるを得ない。

 確かにこの事例は、同じ組織内の話ではないが、そこには人間関係の基本となるべきことが疎かにされているように感じる。人と人との信頼関係の中で、社会は成り立っていく。実際に人に裏切られることほど悲しいことはない。自分を守ろうとしたいからといって、手のひらを返して相手を一方的に断罪するのではなく、本来は、なぜ、こうなったのかを自分に問い、真摯に向き合う以外には信頼を取り戻すことはできないはずだ。少なくとも、こうした人に教育などと、軽々しく語ってほしくない。




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Posted by しがNPOセンター at 09:24 │シリーズ【阿部コラム】