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2017年09月04日

企業の責任とは何なのか

      しがNPOセンター 代表理事
                   阿部圭宏

 銀行カードローンと言えば、テレビCMでもおなじみになっているが、最近になってやっとマスコミでも、その問題点が指摘されるようになってきた。担保なし、審査も甘いため、結果的に、多重債務の要因となって、貸出額が急増するとともに、自己破産も増えているという話である。

 かつて、消費者金融の過剰融資と高金利が問題になって、2006年に消費者金融は、貸出金利の上限が引き下げられるとともに、世帯年収の3分の1までしか貸出できない「総量規制」が行われた。その結果、消費者金融の経営が苦しくなり、今では消費者金融は大手銀行の傘下に入っている。

 消費者金融はあまり騒がれなくなったが、その代わりに、銀行カードローンがかつての消費者金融のような位置付けになっているのではないかという指摘である。今は超低金利時代であり、銀行はなかなかうまく金儲けができなくなっているのも確かである。それを埋める形で急激に伸びてきたのが、総量規制のかからない銀行カードローンだと言える。返済が滞ると、傘下の消費者金融が保証してくれる仕組みになっているケースも多く、また、一部返済されなくても、金利が高いため住宅ローンなどと比べると多くの利益が得られる。こうした銀行の態度を見ていると、金さえ儲かればよいという姿勢しか感じられない。

 金さえ儲かればという発想は、何も銀行だけではないが、次に武器輸出について考えてみよう。

 日本は、武器輸出3原則と呼ばれる基本方針を1967年以来守ってきたが、安倍政権はその方針を破棄し、武器輸出を可能にする政策への転換をした。こうした政府の態度に追随し、日本経団連は2015年9月に、武器など防衛装備品の輸出を「国家戦略として推進すべきだ」とする提言を公表した。日本の防衛産業には国際的な武器市場での価格競争力がないとか、共同開発に参加をしても最先端技術のノウハウが日本には落ちてこないとかいう話もあるが、経済界の前のめりの姿勢は、企業家としての矜持を感じられない。

 企業は、製品やサービスを提供することで利益を得て、経済活動をしている。それだけが企業の存在価値なのであれば、これまでの話もすべてよしということになってしまうが、それだけではないところに企業の存在価値があるのではないか。それが「何のために」「誰のために」という理念に基づき、社会と関わっていくということである。企業が社会から必要とされるには、企業としての倫理観を持って活動することが何よりも大切である。




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Posted by しがNPOセンター at 16:00 │シリーズ【阿部コラム】