2018年02月01日
原発ゼロ法案
しがNPOセンター
代表理事 阿部 圭宏
石坂浩二が出ている電気事業連合会の意見広告なるテレビコマーシャルをご覧になったことがあるだろうか。電気事業連合会は電力会社の連合体であり、長年にわたって日本の原子力発電推進の役割を担ってきているが、いつものことながら原発再稼働の先導役として大物俳優を使ってのなりふり構わぬ姿勢には呆れるばかりである。
昨年12月には、四国電力の伊方原発の運転差し止めを求めた仮処分申請の即時抗告審では、広島高裁が運転差し止めを決定するなど、司法の場でも、原発の安全性を疑問視する姿勢が出てきている。
一方、関西電力が福井県にある同社の三原発から出た使用済み核燃料を、青森県むつ市の中間貯蔵施設に搬入し一時保管する方針を固めたという報道もあった。使用済み燃料は各原発内のプールで保管されているが、保管容量に限界があることが明示されるとともに、改めて核ゴミの処理方策の難しさを露呈している。
また、日米原子力協定が1月16日に自動延長される見通しとなったとされる報道があった。この中で認められている核燃料サイクルは事実上破綻している。高速増殖炉もんじゅは廃炉が決定され、プルサーマル発電では日本が保有するプルトニウム(現在約47トン)は当然使い切れないため、利用目的のないプルトニウムは持たないとの国際公約にも疑問符がつく。
政府は原発をベースロード電源と位置づけ、原発推進の方向が変わらない中で、原発依存の姿勢を見直すことが必要だと、小泉・細川両元首相を顧問とする原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟が「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」を発表した。同法案では、原発を即時に停止し、再稼働や新増設を禁止することや2050年までに電力を再生可能エネルギーで賄うことが柱で、核燃料サイクル事業からの撤退や原発輸出の中止も盛り込まれた画期的なものだ。
立憲民主党が「原発ゼロ基本法案」を準備していることもあり、国会での論戦を通じて、国民的な議論が深まることが期待される。とは言っても、野党提出法案が真剣に議論されることは一般的にはないので、国会の外での市民運動など、市民の積極的な意見表明が必要となる。子どもたちに安心できる未来を届けるために、世の中から原子力をなくすことを今こそ考えていかなければならないと思うのである。
代表理事 阿部 圭宏
石坂浩二が出ている電気事業連合会の意見広告なるテレビコマーシャルをご覧になったことがあるだろうか。電気事業連合会は電力会社の連合体であり、長年にわたって日本の原子力発電推進の役割を担ってきているが、いつものことながら原発再稼働の先導役として大物俳優を使ってのなりふり構わぬ姿勢には呆れるばかりである。
昨年12月には、四国電力の伊方原発の運転差し止めを求めた仮処分申請の即時抗告審では、広島高裁が運転差し止めを決定するなど、司法の場でも、原発の安全性を疑問視する姿勢が出てきている。
一方、関西電力が福井県にある同社の三原発から出た使用済み核燃料を、青森県むつ市の中間貯蔵施設に搬入し一時保管する方針を固めたという報道もあった。使用済み燃料は各原発内のプールで保管されているが、保管容量に限界があることが明示されるとともに、改めて核ゴミの処理方策の難しさを露呈している。
また、日米原子力協定が1月16日に自動延長される見通しとなったとされる報道があった。この中で認められている核燃料サイクルは事実上破綻している。高速増殖炉もんじゅは廃炉が決定され、プルサーマル発電では日本が保有するプルトニウム(現在約47トン)は当然使い切れないため、利用目的のないプルトニウムは持たないとの国際公約にも疑問符がつく。
政府は原発をベースロード電源と位置づけ、原発推進の方向が変わらない中で、原発依存の姿勢を見直すことが必要だと、小泉・細川両元首相を顧問とする原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟が「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」を発表した。同法案では、原発を即時に停止し、再稼働や新増設を禁止することや2050年までに電力を再生可能エネルギーで賄うことが柱で、核燃料サイクル事業からの撤退や原発輸出の中止も盛り込まれた画期的なものだ。
立憲民主党が「原発ゼロ基本法案」を準備していることもあり、国会での論戦を通じて、国民的な議論が深まることが期待される。とは言っても、野党提出法案が真剣に議論されることは一般的にはないので、国会の外での市民運動など、市民の積極的な意見表明が必要となる。子どもたちに安心できる未来を届けるために、世の中から原子力をなくすことを今こそ考えていかなければならないと思うのである。
Posted by しがNPOセンター at 10:37
│シリーズ【阿部コラム】