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2018年11月05日

滋賀の国体開催に思う

              
           しがNPOセンター
                     代表理事 阿部 圭宏

 滋賀では、2024年に国民体育大会(2023年度から「国民スポーツ大会」に名称変更)が開催されるが、この夏に行われた知事選でも争点の一つにあがっていた。京都新聞社が県内有権者を対象に実施した世論調査では、国体に向けた施設整備や開催経費に計450億円以上が見込まれることを、54.5%の人が「必要なら仕方ない」、33.5%が「巨額すぎる」で、「妥当だ」とする人は5.8%にとどまったそうだ。

 京都新聞の解説では、「整備に理解を示しつつ、財政負担に懸念をのぞかせる有権者の多さが浮き彫りになった」ということだが、滋賀県の財政状況を知らない人が多すぎるというのが筆者の実感である。県は、2018年度予算策定時においても財源不足を認めているし、今後の財政見通しでも「国体を開催するための施設整備や、公共施設の老朽化対策、年々増加する社会保障関係費など、財政需要は拡大し、財源不足が継続すると見込んでいます」 とまで書いている。こんな財政状況が悪い中で、なぜ、国体開催をしなければならないのかという疑問もわく。

 国体は、戦後の混乱期の中で国民に希望と勇気を与えるために企図されたもので、スポーツ振興とともに、開催地となった自治体のインフラ整備を行うという面で役割を果たしてきた。とはいえ、年数を重ねるに従い、国体そのものの存在意味も問われるようになっているのは事実である。加えて、今ではどの自治体も財政が逼迫し、この巨大なイベントを開催するだけの体力を持ち合わせていないのが実情である。

 実は、筆者は1981年に開催された「びわこ国体」の事務局にいた。当時、武村正義知事(元大蔵大臣)は、節約国体を掲げていた。既存施設の利活用、スタッフユニホームの廃止など、これまでの華美な国体とは一線を引いた大会であった。開閉会式場出会った皇子山陸上競技場の観覧席は、仮設スタンドを組んでの対応だった。こうした当時の対応は、今でも参考になるのではないかとも思われる。

 確かに、滋賀県内におけるこの間のスポーツ施設の整備状況はと言うと、必ずしも満足のいくものではないようにも思われる。スポーツ振興も行政にとっては、大きな課題の一つなので、金のない中でもインフラ整備を最低やっていく必要があることは理解できる。

 が、今の滋賀県にとっては、国体開催は重く肩にのしかかる。こうした財政負担をしながら進めているのだということを県民はもっと理解して、どうしていくかを一緒に考えていく必要がある。少なくとも、国体をオリピックのように利権構造に絡め取られないようにしてほしい。





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Posted by しがNPOセンター at 09:53 │シリーズ【阿部コラム】